- 抱っこやおむつ交換などもちょっとした工夫で楽になる
- 補助具や自助具などを上手く活用しよう
抱っこやおむつ交換などにもちょっとした工夫を
育児中の患者さんにとって、「抱っこをする」「手をつなぐ」「おむつ交換」などの動作は体への負担になるときがあります。ただ、こういった動作も、ちょっとした工夫で関節にかかる負担を軽くすることができます。
子育て中の動作の工夫例
抱っこをする | お母さんが座った状態でお子さんを抱っこする |
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手をつなぐ | タオルの片端をお母さん、もう片端をお子さんが持ち、間接的に手をつなぐ |
おむつ交換 | おむつは紙おむつを使用 テープ留め:できる範囲でゆるく留める、手のひらを使って留める テープ剥がし:お箸などの先端を使ってはずす、テープそのものをはさみで切る |
神﨑 初美先生 ご監修
●抱っこをする
リウマチ患者さんが立った状態で抱っこをするのはとても大変ですが、座った状態で抱っこをするとかなり楽にできます。立った状態での抱っこは、お子さんを主に腕で支えなければいけませんが、座った状態での抱っこであれば、お子さんを足で支えることができるので、腕への負担はかなり軽減されます。
●手をつなぐ
小さいお子さんとの手つなぎが痛みなどで難しいときは、タオルをご用意ください。タオルの一方の端をあなたが握り、もう一方の端をお子さんに握ってもらいます。子供の安全面を確保するため、お子さんと外出する際には、間接手つなぎをするとよいでしょう。
●おむつ交換
まず「おむつの選び方」では、紙おむつがおすすめです。布おむつには赤ちゃんの肌やお財布に優しいなどのメリットがありますが、紙おむつは洗濯の手間がかからない、など、リウマチ患者さんにとって子育ての負担が軽減されるメリットがあります。
赤ちゃんが自分で体勢を変えることができないうちはテープ式紙おむつを選択する場合が多いですが、テープを留めることに関しては、「しっかり留められなくてもいいや」と割り切ることも大切です。テープを剥がすことに関しては、ゆるく留めている場合は、はさみやお箸などの自助具でテープの端をつまんで剥がすことができますし、しっかり留めている場合は、はさみでテープそのものを切れば剥がせます。ただし、赤ちゃんの肌を傷つけることのないよう、自助具の取り扱いには十分注意してください。はいはいができるようになったら、パンツ式の紙おむつに変更しましょう。

補助具や自助具などを上手く活用しよう
お子さんが小さいうちは食べ物をこぼしたり、飲み物をひっくり返したりと、布巾でテーブル等を拭く機会が多くなりますが、リウマチ患者さんにとって布巾絞りの動作はけっこう難関だと思います。たとえば布巾絞り補助具を使うのもひとつの手ですし、布巾を水道の蛇口に引っ掛けて絞るという方法もあります。使い捨てのウェットティッシュやアルコールタオルを使っている患者さんもいます。
ボタンを留める、ファスナーを上げるといった自助具も開発されているので、お子さんの着替えの際に活用するのもよいでしょう。
少し知恵を絞って、ちょっとした工夫でどうすれば子育てを楽にできるのかを考えてみませんか。

神﨑 初美 先生
看護師兵庫医科大学 看護学部 看護学科 療養支援看護学 教授
放送大学 客員教授
日本リウマチ看護学会 理事長
日本リウマチ友の会 理事