- 「子供はみんなで育てる」という考えのもと、家族や友達のサポート、ソーシャルサポートを受ける
- 「話す」ことでストレス解消につなげることができるので、医師や看護師、患者会の方に育児の悩みを相談する
子供はみんなで育てよう
日本では、「子供が3歳になるまでは母親は子育てに専念すべき」という3歳児神話が根強く残っていますが、今の時代、こんな神話にとらわれる必要はありません。育児ストレスを軽減するためには、「子供はみんなで育てる」という考えに改め、活用できるサポートを活用していくことが大切です。
●家族にサポートしてもらう
ご家族にサポートをお願いする際には、2つのポイントがあります。
1つめのポイントは、『サポートしてほしいことを具体的に伝える』です。たとえば旦那様に干している洗濯物を取り入れてもらおうと、「ズボンを取りこんでおいて」とお願いしたら、ズボンだけが取り入れられていたという面白いエピソードがあります。でもそれを怒っても仕方がないですよね。ちゃんと「洗濯物を取りこんでおいて」と具体的な内容を頼みましょう。
2つめのポイントは、『お願いのしかたに気をつける』です。誰でも命令口調で「○○して」といわれたら、腹が立つものです。でも、「こうしてくれると助かるな(ありがたいな、うれしいな)」といわれたら、どうでしょう。進んでやってあげようという気持ちになるのではないでしょうか。嫌味なく受け入れてもらいやすい言い方で、お願いすることがコツです。

家族にサポートをお願いする際のポイント例
- ×:おむつを替えて
- 〇:おむつを替えてくれるとうれしいな
神﨑 初美先生 ご監修
なお、あなたのお願いで十分なサポートが得られない場合、医師や看護師からご家族に患者さんをサポートする話を依頼するのもひとつの手です。
●友達にサポートしてもらう
ご家族の不在時にサポートが必要になった場合、手を差し伸べてくれる友達はとてもありがたい存在です。ただ、サポートをお願いするには、あなたの病気を伝え、病気への理解を深めてもらわねばなりません。自分の病気のことを伝えるのはとても勇気がいりますが、チャレンジしてみてください。
なお、お勤めしている場合、職場の人にも病気のことを伝えておくと、仕事上や欠勤時のサポートを受けやすくなるなど、働きやすさにつながります。
●ソーシャルサポートを利用しよう
子育て中のソーシャルサポートとしては、「ファミリー・サポート・センター事業」などを利用できる可能性があります。利用には要件があるので、詳細はお住まいの自治体にご確認ください。
支援事業 | 概要 | 問い合わせ先 |
---|---|---|
ファミリー・サポート・ センター事業 |
子育てを援助してほしい人と援助したい人を結びつけるシステム | お住まいの自治体 |
厚生労働省. ファミリー・サポート・センターのご案内
(https://www.mhlw.go.jp/content/000683335.pdf)(2025年2月4日アクセス)
子育ての悩みを相談しよう
子育ての悩みは、医師や看護師、患者会の方に相談するとよいでしょう。特に患者会の方は、同じ悩みを乗り越えてきた方なのでおすすめです。「話す」ことでストレス解消につなげることができます。一人で抱え込まず、いろんな人に相談してみましょう。

子育て中のあなたへ
ただでさえ子育ては大変ですが、関節リウマチを抱えながらの子育ては並大抵のことではないので、一人で育てようなんて思う必要はありません。「できないものは、できない」と割り切って、周りの人に手伝ってもらいましょう。周囲のサポートを上手に活用し、賢く育児を乗り切ることが大切です。

神﨑 初美 先生
看護師兵庫医科大学 看護学部 看護学科 療養支援看護学 教授
放送大学 客員教授
日本リウマチ看護学会 理事長
日本リウマチ友の会 理事