メインコンテンツへスキップ

「医療従事者が知りたいこと」を知ろう

2023/02/15?Knowledge

タイトル
「医療従事者が知りたいこと」を知ろう
検証状況
Work In Progress
URL 名
RA-SME6-1
概要
Use this field for a short summary of the contents of the article. This will show in Knowledge Search results if there is not a snippet of the article to include showing words or phrases in the article matching your Search terms.
Contact

内容
  • 初診時には、いつからどのような症状が現れたか、アレルギーなどの持病はないかなどを伝えることが大切
  • 再診時には、前回診察を受けてからどのように過ごされていたか、症状や日常生活で困ったことはなかったか、などを伝えることが大切
  • 関節以外の症状についても医療従事者は知りたいと思っている

はじめに

関節リウマチの症状は多様であり、また日常生活でお困りのことは、患者さん一人ひとりで異なっています。そのため、患者さんの治療に対する希望も異なります。一方、最近では関節リウマチの治療は大きく進歩し、治療方法の幅も広がっていて、患者さんの希望に合わせて治療を選ぶことも可能になってきています。このような背景から、私たち医療従事者は患者さんの現在の症状や困っていること、治療に対する希望などをよくお聞きしたうえで、治療やケア(支援)を進めたいと考えています。また、患者さんが関節リウマチについてよく理解し、ご自分から治療に取り組むことも大切です1)。そのためには、患者さんと医療従事者の良好なコミュニケーションが欠かせません。

知りたいこと

医療従事者は、患者さんの症状、患者さんの背景、ご自宅での様子などをできるだけ詳しく知って、患者さんの治療やケアに役立てたいと考えています。

―初診時に知りたいこと

初診時には、これまでの症状や患者さんの背景について知って、今後の治療やケアの方針を立てるうえでの基本情報を得たいと考えています。
初診の患者さんが紹介状をお持ちの場合は、ある程度の状況はわかりますが、紹介状がない場合や直接病院に来られた場合には、いつごろから、どこに痛みや腫れなどの症状が現れたか、それに対してどのように対応してきたかを教えてくださると助かります。また、メモなどに整理してお話しいただくとスムーズに診察が進むと思います。

また、患者さんの背景も重要なので、今までアレルギーが出たことがあるか、どのような病気にかかったことがあるか、ご家族や近親者に関節リウマチを患った方がいらっしゃるか、喫煙歴なども、お聞きしたいところです。

―再診時に知りたいこと

再診時には、前回診察を受けられてからどのように過ごされたかをお聞きしたいです。というのも、関節リウマチは、日によって症状に波がある病気です。痛みや腫れに変化はなかったか、お仕事や日常生活で困ったことはなかったか、など医師が診察でお聞きしたこと以外のことも、看護師などの医療従事者に伝えてください。
再診時にも、手帳や関節リウマチの管理アプリを利用して、日々の体調の様子を記録して活用する方法もあります。
もう一つ知りたい重要なことは、お薬の服用状況です。関節リウマチに限らず、病気の治療ではきちんとお薬を飲むことが大切です。飲み忘れが多い場合には、薬剤師や看護師が忘れない工夫を一緒に考えてくれます。

関節以外の症状についても知らせてください

関節リウマチでは、関節以外にも様々な症状(関節リウマチの全身症状)が現れることがあります。例えば、発熱、体重減少、全身倦怠感などはご存じの症状だと思いますが、目、肺、腎臓や心臓に障害が出ることもあります2)。ですから、関節以外に異常を感じた時にも、ぜひ医療従事者に知らせていただきたいと思います。

―関節リウマチの関節外症状

関節リウマチの関節外症状の図

神崎初美ほか. 最新知識と事例がいっぱい リウマチケア入門: P13-15, メディカ出版; 2017.

参考資料

1) 房間美恵ほか. 関節リウマチ看護ガイドブック: P14-16, 羊土社; 2019.

2) 神崎初美ほか. 最新知識と事例がいっぱい リウマチケア入門: P13-15, メディカ出版; 2017.

永井薫先生

永井 薫 先生

看護師
名古屋大学医学部附属病院腎臓内科/小早川整形外科リウマチクリニック。名古屋市立中央看護専門学校卒業。名古屋掖済会病院、名古屋大学医学部附属病院、ナゴヤガーデンクリニック Chief Operating Nurseを経て、現職。日本リウマチ財団リウマチケア看護師、日本リウマチ学会認定ソノグラファー、骨粗鬆症学会認定骨粗鬆症マネージャー。
(2023年6月現在)