- つらいことを書き出して自分にメールを送信してみよう
- 30分後に気持ちを切り替え、30分前の自分を励ますようにアドバイス
- 漠然とした不安を「コントロールできることとできないこと」に分ける
食事や治療など、気をつけることが多くてストレス…。どのように解消すればいいですか?
「治療のために食べたいものを食べられない」という悩みは、ご本人にしか理解できないつらいことだと思います。そんなときにおすすめしたいのが、自分に対してメールを送るということ。カウンセリングでは「相談者が自ら本心を語ること」が重要です。その理由は、人は本心を語るうちに無意識に蓋をしてきた感情が一気にあふれ出し、本当の気持ちがあらわれてくるからです。

まずはつらいこと、悲しいこと、苦しいこと、怒っていることなどを書き出して、自分宛にメールを送りましょう。そして、30分ほどおいてからメールを見返してください。気持ちを十分に切り替えて、今度は30分前の自分に対してアドバイスをします。例えば「今は食事療法が大変だけど、あと数日だからもう少しがんばってみよう」など、自分を励ますようなアドバイスを心がけましょう。すると、自分のアドバイスなので「あなたに話しても仕方ない」とは思わずに、納得できるはずです。冷静になれた中で、自分だけでは解決できないと思ったら、医師や看護師、カウンセラーに相談しましょう。
漠然とした不安感にはどのように対処すればいいですか?
不安というのは、自分がコントロールできないことに対して生まれる感情です。問題は、コントロールできることとコントロールできないことが心の中で混在し、必要以上に不安が増幅していることにあります。
まずは、思いつく不安をすべて書き出しましょう。気持ちが軽くなったり、安心して過ごせるようになったりしたら、すべての不安が出尽くした合図です。今度は、書き出した不安を、自分がコントロールできること、できないことに分けていきます。例えば、「明日地震が起きたらどうしよう」「あの人が私を嫌っていたらどうしよう」というのも不安の1つではありますが、自分でコントロールできるものではありません。コントロールできないことには印をつけて思い切って捨ててしまいましょう。次に、自分がコントロールできることに優先順位をつけて、すぐにできることから取り組んでいくだけで、不安の解消につながります。ぜひ一度試してほしいと思います。

吉田 愛 先生
インフュージョンクリニック 心理カウンセラー、公認心理師16歳の時にフロイトの夢判断に感銘を受け、心理学を学び始める。
甲南女子大学人間関係学科心理学専攻卒業、同大学大学院教育研究科修士課程修了。2001年に福島県臨床心理士会所属スクールカウンセラー、2002年に経営者セミナー講師、右脳開発研究会主宰を経て、2005年5月私設相談室ヒーリングスペースエルモリヤを開業。
2013年よりIBDと関節リウマチを専門的に診療するインフュージョンクリニックの心理カウンセラーとして、IBDや関節リウマチ患者さんのこころのケアに携わっている。
所属学会 日本心理学会、日本ユング心理学会、日本ユング派分析協会、日本箱庭療法学会
インフュージョンクリニックHP: https://www.kic-clinic.jp/