メインコンテンツへスキップ

手指や手関節を保護・サポートするための装具療法とは

2023/03/01?Knowledge

タイトル
手指や手関節を保護・サポートするための装具療法とは
検証状況
Work In Progress
URL 名
RA-SME8-2
概要
Use this field for a short summary of the contents of the article. This will show in Knowledge Search results if there is not a snippet of the article to include showing words or phrases in the article matching your Search terms.
Contact

内容
  • 手関節に負担のかかる動作を避ける工夫が重要
  • 装具の使用は炎症の増悪の予防や痛みの軽減につながる
  • 装具の使用により皮膚トラブルなどが生じた場合は主治医に相談を

手指・手関節の機能障害が患者さんの生活を制限することも

ひとの手は、ものを持ったり、操作したりすることで、日常生活を送る上で重要な役割を担っています。例えば、食事のときに箸やスプーンを使ったり、入浴時に髪を洗ったり、衣服を着るときにボタンを留めたりと、日常生活のほぼすべての場面で手を使います。
そのため、炎症や変形などによって手指や手関節の働きが障害されると、多くの動作や行動に影響をおよぼし、生活が制限されることになります。
また、手関節は手指を効率的に使うための土台として働いているため、手関節に障害が起こると手指が使いにくくなり、特に力が必要な動作がしにくくなります。

関節に負担のかかる動作は避ける工夫が大切

手関節は、身体の中心部分から遠くにあり、比較的小さい関節であるため、大きな力が必要な動作を行うときに負担がかかりやすい部分です。例えば、重いものを片手で持ったり、固いふたを開けたりする動作には、強い筋力が必要で、手関節にかかる負担も大きいものとなります。
重いものを持つときは両手で持つようにする、バッグは手提げではなく背負えるリュックにする、ペットボトルやビンのふたを開けるときはオープナーのような道具を活用するなど、手関節の負担を軽減するための工夫をすることが大切です。

装具を使用することが炎症の増悪の予防や痛みの軽減につながる

手関節の炎症が著しく痛みが強い場合は、関節をしっかり保護するために1、2)、固定性の高い硬性装具を使用します。関節への負担を抑えることで、炎症の増悪を予防し、痛みをやわらげることにつながります1)。ただし、硬性装具は関節の動きを制限してしまうため、主に日中でも安静にしている時間や、夜間の睡眠中などに使用することが望ましいでしょう。力仕事をしなければならない場合も、不便は感じると思いますが、装具を使用することで関節の負担を軽減することができます。
手や腕を動かすときに痛みがある場合には、関節の位置を正しく整えることや、関節の動きをサポートすることを目的として1)、軟性装具を使用します。関節の位置を調整することで筋肉を使いやすくし、関節にかかる負担を軽減できるため、痛みの緩和や動かしやすさにつながります2)
このように装具療法には、関節への負担を軽くすることで、炎症の増悪を予防したり、痛みを軽減したりするメリットがあります1)

皮膚トラブルがみられた場合は主治医に相談を

装具は、関節の負担を軽減するために、関節の動きを制限するものです。そのため、装具を使用した生活では動かしにくさや不便さはつきものといえます。例として、手関節を装具で固定すると手首が動かなくなってしまうため、箸やスプーンを使って食事をする、字を書くなど、指と手首を一緒に動かす動作は行いにくくなるでしょう。しかし、関節を保護するためには可能な限り装具を使用することが大切です。
また、装具を使用していると圧迫やこすれによって、皮膚トラブルが生じることがあります。装具を着けている部分に、水疱、かぶれ、発疹などがみられないか確認し、異常がみられる場合には早めに医師に相談しましょう。

1)水落和也 他. 日本義肢装具学会誌. 2012; 28(1):23-28.

2)日本リウマチ財団 リウマチ情報センター. 治療
https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/tr_rehabilitation.html (2022年10月17日アクセス)

小林 春樹 先生

小林 春樹 先生

理学療法士
あずまリウマチ・内科クリニック リハビリテーション科 科長
2008年から武蔵嵐山病院に入職。主に脳血管障害患者に対する運動療法や退院支援といったリハビリテーションを行う。
2019年より現在のあずまリウマチ・内科クリニックに勤務。
日本リウマチ財団登録理学療法士、日本骨粗鬆症学会会員、日本ボバース研究会会員
(2023年2月現在)