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足関節を保護・サポートするための装具療法とは

2023/05/16?Knowledge

タイトル
足関節を保護・サポートするための装具療法とは
検証状況
Work In Progress
URL 名
RA-SME8-3
概要
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内容
  • 足関節の機能障害は手と比較して発見されにくいことも
  • 足関節の装具療法は、歩行時の痛みの緩和や歩きやすさにつながる
  • 歩きにくさを感じるときは杖なども活用を

足関節の機能障害は歩きにくさだけでなく転倒のリスクも

足は、立ったり、歩いたりするときに、唯一地面に触れる部分です。足関節が硬くなったり、足関節を支える筋力が低下したりすると、地面をしっかり踏ん張って身体を支えることが難しくなってしまいます。それにより、バランスが取りにくくなると、速く歩くことができなくなったり、でこぼこ道や砂利道で歩きにくくなったりするほか、転倒のリスクも高まります。
また、身体の動きや揺れを足で支えられないと、股関節や腰で支えなければならなくなり、腰痛や股関節痛が起こりやすくなることも考えられます。

足に合った靴を選ぶことや日々足の状態に目を向けることが大切

関節リウマチ患者さんに多い足のトラブルとして、足裏の胼胝(タコ)が挙げられます。着脱しやすいからと緩めの靴を履くと、歩くときに靴の中で足が動いてしまい、力がうまく入らなくなるだけでなく、摩擦によって胼胝ができやすくなります。これらの積み重ねが足関節の働きを障害することにつながるため、ご自身に合った靴を選ぶことが大切です。
また、足は手と比較して目が届きにくく、意識が向きにくい部分なので、足指の動きにくさや変形の発見が遅れることも少なくありません。日常的に、足の状態を確認し、足指や足関節を動かすようにしましょう。

装具を使用することで歩行時の痛みの緩和や歩きやすさにつながる

足関節の炎症が強く、関節の動きを制限する必要がある場合には、強く固定できる硬性装具を使用します。ただ、硬性装具を使用すると歩きにくくなるため、足には軟性装具を使用することのほうが多いかもしれません。軟性装具は、痛みの現れ方などによって巻き方を変えて使用します。
日常生活において、歩くときに困る場合には、インソール(写真、足底挿板)や靴型装具を使用することも多いです。インソールは、症状に応じて足の矯正や、足にかかる力の調整をするために靴の中に入れて使用する中敷きです。靴型装具は、足の変形が進んだ方の、インソールでは解決できない靴の問題を解決するためにオーダーメイドで製作する靴型の装具です1)
インソールを使用することで、足の正しい動きが促され、歩くときの痛みをやわらげることができます1)。また、足の裏で地面をしっかり踏みしめて身体を支えられるようになることで、歩行が安定し、速く歩けるようになったり、長い距離を歩けるようになったりするというメリットもあります。それにより、登山やジョギングなどの趣味ができるようになる方もいらっしゃるようです。

写真 インソール(足底挿板)

装具によりバランスが取りにくいときは杖なども活用を

硬性装具を使用すると、足の関節の動きが制限されるため、立ったり歩いたりするときにバランスを取りにくくなることがあります。そのような場合は、足への負担や転倒のリスクを減らすために、杖などの歩行補助具を活用することが望ましいでしょう。
インソールは、一般的な靴の中敷きとは形状が異なるため、最初は厚みや凹凸に違和感をもつ方もいると思います。使用するうちに、違和感が痛みに変わる場合は足に合っていない可能性が考えられるため、医師やリハビリテーションのスタッフに相談しましょう。ただし、使用することで痛みや歩きにくさなどの症状が改善するようであれば、使い続けることをおすすめします。
手の装具と同じように、足の装具でも皮膚のかぶれや赤みなどのトラブルが生じることがあります。前述の通り、足指や足裏は手と比較すると見えにくく異常に気付きにくいため、注意して足の状態を確認するようにしましょう。

1)神崎初美 他(編). 最新知識と事例がいっぱい リウマチケア入門 -リウマチ治療はここまで変わった!, メディカ出版, 2017

小林 春樹 先生

小林 春樹 先生

理学療法士
あずまリウマチ・内科クリニック リハビリテーション科 科長
2008年から武蔵嵐山病院に入職。主に脳血管障害患者に対する運動療法や退院支援といったリハビリテーションを行う。
2019年より現在のあずまリウマチ・内科クリニックに勤務。
日本リウマチ財団登録理学療法士、日本骨粗鬆症学会会員、日本ボバース研究会会員
(2023年2月現在)