症状が治まった後なら、服薬や通院をやめてもいい?
治療がうまくいっていて症状が治まった後なら、服薬や通院をやめてもいいのかもと思ってしまいませんか?でも、治療はその後も続けましょう。もし、治療中に薬の量を減らしたい、服薬をやめたいと思っても、絶対に自分で判断しないでください。患者さんが服薬についての指示を守っていないと、主治医は薬の影響をきちんと判断できないことがあります。治療をやめたいなと思っても、次の診察までは主治医の指示通りに服用し、気になることは診察時に相談しましょう。ただし、治療中にこれまでと違う症状が出て、副作用が心配な時は、早めに相談してください。
主治医の指示を守って治療を続けるためには、治療を選ぶ時に患者さんが納得できる治療、また、続けることが難しくない治療を選んでおき、服薬アドヒアランスを保つことが大切です。
KEYWORD アドヒアランス
患者さんが積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること
(日本薬学会ホームページ)
関節リウマチ治療の服薬アドヒアランスを保つためには、治療を選ぶ時から主治医とよく話し合って、なぜその治療が必要なのかを理解するようにしましょう。主治医は症状や検査結果から関節リウマチの状態を確認して、一人ひとりの患者さんに必要で、合う薬を提案してくれます。でも、もしかしたらあなたの仕事や家庭、生活スタイルによっては、提案された薬が服薬しにくいことがあるかもしれません。あなたはどんな薬なら治療を続けやすいですか? SDM(shared decision making:共有意思決定)では、「続けやすい治療」についても、主治医と話し合って決められます。
どんな薬なら治療を続けやすいですか?
あなたの希望を伝えて相談してみましょう。
- 飲み薬、注射
- 朝、昼、晩
- どこにいる時
- 何曜日

そして治療を始めたら、服薬アドヒアランスを保てるように、自分でも工夫してみましょう。もし服薬のタイミングを忘れそうなら、カレンダーや手帳にメモをするか、家族に声かけを頼みます。

田中 良哉 先生
産業医科大学 医学部 第1内科学講座 教授