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体調のよい状態を維持する コンディショニング(体調維持管理)の大切さ

2023/02/15?Knowledge

タイトル
体調のよい状態を維持する コンディショニング(体調維持管理)の大切さ
検証状況
Work In Progress
URL 名
RA-doctor2-1
概要
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内容

体調のよい状態を長続きさせるための「コンディショニング」とは

生物学的製剤を中心とする治療の進展により、関節リウマチの患者さんは寛解(症状をコントロールできる)を目指せるようになりました。その状態がずっと続くよう、体調のよいときにも忘れないようにしたいのが「コンディショニング」と呼ばれるセルフマネジメントです。
コンディショニングとは、「体調維持管理」のことで、体調を維持するための最も簡単な方法は「無理をしないこと」といえます。

痛みなどのつらい症状がなく過ごしている場合は、好きなことをして生活してよいと思います。調子がよいときに、病気のことを考えながら生活する必要はありません。ただ、頭の真ん中ではなく“片隅”でよいので、「自分の体を大事にしよう」「無理をしないようにしよう」という意識をもつようにしましょう。

「自分の体を大事にする」とは十分な睡眠をとる、栄養バランスのよい食事をする、規則正しい生活をするなど、ごく当たり前の「健康のためによいこと」を心がけることです。
そして、生物学的製剤で治療をしている場合は、「感染症」に対する予防も大切です。
生物学的製剤による治療を受けている方は、薬によって免疫の力が抑えられているため病原体に対する抵抗力が弱まり、風邪や肺炎など、さまざまな感染症にかかりやすくなります1)。「外出しないほうがいい?」などと心配しすぎてはいけませんが、「家に帰ったら手洗い、うがいをする」「体を冷やさない」「汗をかいたら着替える」など、感染症の予防を心がけることが大切です。

関節を守るために、関節の負担を減らす「関節保護動作」を取り入れる

体調がよいときには忘れがちですが、リウマチ患者さんにとって「無理をしないこと」はとても大事なことです。痛みや腫れがあっても、つい無理をして身体を動かしてしまうこともあるかもしれませんが、無理をすることで、関節の破壊を進めてしまうことがあります。痛みや腫れがとれないときには無理をせず安静にすることが必要ですが、症状のある関節を全く使用しないで生活することはできないので、代わりに、関節への負担を減らして破壊から守る「関節保護動作」、つまり、「関節にかかる負担を減らす工夫」を日常生活に取り入れるよう心がけましょう。

関節保護の基本は「小さな関節ではなく、大きな関節を使うこと」です。例えば、荷物をもつときは手にバッグをもつより、トートバッグを肩からかけたり、リュックを背負ったりするとよいでしょう。買い物などでは手押しカートを使えばさらに負担を軽くすることができます。

また、同じ姿勢、同じ方向に繰り返し負担がかかる動作を避けること、片手でもつより両手でもつなど負担を分散させることも大切です。立っているより座る、作業の時間や回数を減らす、人に頼めることは代わりにしてもらう、なども関節の負担を減らすことにつながります。日常生活の中で、「関節にかかる負担を減らす動作」を習慣づけることが必要です。

① 手指や手首ではなくひじや肩などで支える

・荷物をもつときは、トートバッグを肩からかけたり、リュックを背負う

・買い物などでは手押しカートを使う

② 同じ姿勢、同じ方向に繰り返し負担がかかる動作を避ける

③ 片手でもつより両手でもつ

1)三浦靖史ほか編. リウマチケア入門. メディカ出版.2017

三浦 靖史 先生

三浦 靖史 先生

神戸大学大学院保健学研究科 リハビリテーション科学領域 准教授
神戸大学医学部附属病院 リハビリテーション部 副部長
(2022年10月現在)